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BLが好きです。わりといい年の大人です。詳細は「ごあいさつ」記事をご覧ください。
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一穂ミチ『街の灯ひとつ』


一穂ミチさんの作品で最初に読んだのは『雪よ林檎の香のごとく』でした。
デビュー作らしい作風だなという印象でした。文章も文学少女が書いたような自意識とみずみずしさに溢れていて、当時はとっても新鮮だった。

で、何作目かのこちらです。後ろの既刊を見たらルチルのは一通りすべて既読。ディアプラスのもたぶん既読です。
なんか、なんていうか、いい意味で文学とBLだよね。最初は文学>BLだったのが、いつのまにか文学=BLの世界を作っている作家さんになったよなあと(上から目線すぎる)思います。

今回の作品では「光」がキーワードになっていて、それが太陽の光ではなく夜のネオンのような人工的な蛍光のことで、すっごくキレイだけどなぜか寂しい、という雰囲気が文章そのまんまでした。
秘密を抱えてはいるけど主人公のことを好きな気持ちがだだ漏れの片喰と、好かれて気持ち悪いのに嫌な気はしない主人公こと初鹿野。
あまり交わらないようなキャラ付の二人なんだけど、最後はしっかりお互いにラブラブになれてよかった。
周りの登場人物も健気で可愛い。
特に、BJが好きで医学部目指してる妹とか!
草食系男子ならぬ草男子の同僚とか!
片喰の愛がそりゃあもうびっくりするほど重いわけですが、そんな登場人物に囲まれて博愛な感じの主人公とは良いカップルかなと。

ラスト、灯ったマンションの窓の明かりを二人で見る場面が好きです。
ただ「窓の明かりが灯るのを見る」だけなんだけど、それまでの過去や二人のあれそれがあって、最後にこれかーと。
発光するうつくしさがあって、誰かが”そこ”にいるという温もりの光があって、初鹿野が嫌悪してきた温もりの光に、喜びを感じる場面なんです。

相変わらずきれいな作品でした。
新人の頃のようなみずみずしいだけじゃないクセや暗さや強かさも垣間見えるようになってきて、今後の作品も楽しみな作家さんです。
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